平成20年12月

 三渓園(さんけいえん)

12月の日曜日に、横浜の三渓園へ行ってきました。

三渓園という名称は知っていましたが、初めて訪れました。
昔は、庭園などに興味がなかったのです。

私が庭園が好きになったのは、ここ数年の趣味です。


三渓園は、横浜市中区本牧三之谷にある庭園です。
敷地面積は17.5ha。結構広さです。 平成18年に国の名勝に指定されています。

三渓園は、実業家で茶人の原富太郎(号:三渓、1868年〜1939年)によって作られました。
原富太郎は、入り婿です。
原家は、明治時代、生糸の輸出で大もうけをしたようです。

三渓園は、国の重要文化財建造物12棟を所有しています。
これの建物は、みな他の場所から移築してきたものです。

この建物群がまた、広大な敷地の庭園とよく調和しています。
庭園には、池、川・渓谷、山があります。
その一角には、原家の邸宅が昔はありました。
ちょうど、紅葉がきれいでした。
 臨春閣 (重要文化財)

 旧紀州徳川家藩別邸。紀州徳川家の初代徳川頼宣が紀州和歌山(和歌山県岩出市)に建てたもの。
 東の桂離宮とも呼ばれます。
第一屋、第二屋、第三屋で構成され、襖絵は狩野探幽、狩野安信などによって描かれています。
屋根は桧皮葺で、池際に建てられています。
丘の上に建てられた三重塔が見えます。
飛んでいる鳥は、トンビでしょうか。
園内は、色とりどりに紅葉しています。
 月華殿 (重要文化財)


安土桃山時代、1603年(慶長8年)建築。
三室戸寺金蔵院(京都府宇治市)より移築したものです。
 聴秋閣 (重要文化財)

1623年(元和9年)建築。
徳川家光が二条城内に建築させた建物です。
 春草廬 (重要文化財)

安土桃山時代建築の茶室。織田有楽斎の作といわれています。

旧三室戸寺金蔵院より移築。
奈良県出土の石棺まであります。
 旧燈明寺三重塔 (重要文化財)

室町時代1457年の建築。京都府相楽郡加茂町より移築。

この三重塔は、三渓園の一番の高所に移築され、園内のどこからでも見え、三渓園のランドマークになっています。
陽が西に傾いてきました。
 旧東慶寺仏殿 (重要文化財)

江戸時代1634年の建築。
東慶寺(鎌倉市)より移築。
 旧矢箆原(やのはら)家住宅 (重要文化財)〜白川郷の合掌造民家

江戸時代(18世紀)の建築。
岐阜県大野郡荘川村(現高山市)より移築。

合掌造の民家まで移築し持ち込むとは驚きです。
ちょうど紅葉が盛りで、きれいでした。
 旧燈明寺本堂

室町時代初期の建築。
三重塔があった燈明寺の本堂。京都府加茂町より移築。
山茶花も、きれいに咲いています。
三渓園は、池を中心に周りが小高い山で囲まれています。

今の時期は、昼間が一番短いこともあり、日が暮れて暗くなるのが早いです。
これだけの古建築を取得・移築するとは、原三渓はお金もちだったのですね。

三渓は、横浜を代表する実業家でもあり、関東大震災の復興のために力を尽くし、横浜の恩人とされているようです。

庭園をずっと歩き見学して、記念館には、日本画の展示もあり、非常に見ごたえがありました。

三渓園の入場料は、500円です。
これは、お得だと思います。

季節が変わり、また、花が咲くころに来てみたいと思いました。

ちょうど、紅葉のシーズンなので、夜のライトアップを実施していました。
ちょっと、寒くなってきたのと、家が遠いこともあり、私はライトアップを見学せず、三渓園を後にし帰路に向かいました。