平成21年5月25日

北向観音を参拝し、別所温泉周辺を観光しました。

上田駅から別所温泉までの別所線の沿線一帯を塩田平と言われます。

この地域は全国でも数少ない文化財の宝庫です。
鎌倉時代、この地は、北条氏の一族が領地とし、北條氏の庇護のもとに仏教文化が栄えました。

塩田平は、鎌倉時代から室町時代の中世の文化財が多く残され、「信州の鎌倉」と呼ばれています。


 安楽寺

北向観音から、比較的近い安楽寺へ来ました。

安楽寺は、長野県上田市別所温泉にある曹洞宗の寺院です。

別所温泉を抜けて、少し離れた山林の中にあります。
専用駐車場もあります。

この寺には、国宝の八角三重塔があることで有名です。
日本に現存する近世以前の八角塔としては唯一のものです。

車を停め、参堂を歩いていきます。
本堂前で、拝観料を払い、林の中を歩いていきます。

杉林の中に、塔が見えてきました。
安楽寺 八角三重塔(国宝)

全高18.75メートル。
四重塔のようにも見えますが、一番下の屋根はひさしに相当する裳階(もこし)で、実質三重塔です。
鎌倉時代末の、1290年代に建築されたようです。

いかにも、中国風に見受けられます。
不思議な塔に見受けられます。
安楽寺 本堂


 中禅寺

同じく上田市の中禅寺を尋ねました。

木立にかこまれた静かなたたずまいの中に、信州最古の木造建築、中禅寺薬師堂が建っています。
  広い駐車場があります。
拝観料を払い、境内へ。 
仁王門をくぐります。
中禅寺 薬師堂(国重要文化財)

造りは、方三間の阿弥陀堂という形式で、平安時代の終わりごろ行われた形式。岩手県平泉にある有名な中尊寺の金色堂が、その代表的な例です。
薬師堂は、平安時代末か鎌倉時代初期の建立とされ、中部日本(中部地方・関東地方)を通じて最も古いといわれています。

 前山寺

この寺には、「未完成の完成の塔」と呼ばれる国の重要文化財の三重塔があります。
前山寺(ぜんさんじ)は、長野県上田市にある真言宗の寺院です。
参道の石段、参道沿いにあるケヤキの巨木が印象的です。

このケヤキは、樹齢700年だそうです。
幹が太いこと太いこと。
前山寺 三重塔(国重要文化財)

室町時代の建築と推定され、高さ19.5メートル。

この塔は、窓や扉、廻縁、勾欄が無いのです。
建物全体がよく調和がとれています。

三重塔の仕来りどおりに造ってないのですが、「未完成の完成の塔」と呼ばれています。
前山寺 本堂
新緑の中にうかぶ三重塔、絵になっています。
これで、塩田平の観光を終え、帰路に向かいました。