平成21年11月
前夜は愛知県へ泊まっており、関東へ帰る岐路、静岡県へ来ました。

 摩訶耶寺(まかやじ)
摩訶耶寺は、静岡県 浜松市北区 三ヶ日町摩訶耶に立地する高野山真言宗の寺院です。
奈良時代の神亀3年(726)、行基が創建し、当時は、新達寺と称しました。
現在の位置に移ったのは、平安時代の終わり頃といわれています。
天正元年(1573)、武田信玄の兵火で伽藍が焼失してし、寛永9年(1632)、現在の本堂が再建されました。

古びた山門です。
天気は曇りです。
西国の写し本尊でしょうか。
本堂
江戸時代、寛永9年(1632)に建造。入母屋造り5間4面、総ケヤキの巨材をもって建てられています。

本堂内に入り、拝観料を支払います。
まず、お寺の方が、お寺の説明をしてくれます。
本堂の格天井には法橋関中の筆になる極彩色の花鳥が配されています。
彩色が未だに鮮やかに残っています。

本堂の説明を聞いた後、奥の宝物館へと案内され、国指定重要文化財の、不動明王像、千手観音像、阿弥陀如来像などを拝観できます。
いずれも、平安時代の作のようです。

仏像の拝観が終わり、庭の鑑賞がやっとできるようになります。
 

 摩訶耶寺 庭園
庭園は、鎌倉時代初期に造られたもので、東日本では珍しい平安様式の名園です。
池と築山構造、石組みの力強さ、美しさが目を引きます。 
素晴らしい庭園です。
お寺が戦乱で焼討ちにあっても、庭園はそのまま残ったのですね。
奥のここから、水が流れ込みます。

豪快な石組みです。
昔、重機が無かった時代に、よくぞこれだけの石を組んだものです。
須弥山でしょうか。
いかにも、雪舟か重森 三玲さんが作りそうな石組みです。
庭園は、周りを歩きながら鑑賞できるように、園路があります。
どの方角から見ても、庭園を楽しめるようです。
庭園に見とれていたら、サギでしょうか、鳥が飛んできて、枝垂桜の枝にとまりました。
木を降りて、築山を歩き始めます。
いつの間にか、ぱっと飛び去ってしまいました。

なんで、浜松の田舎に、こんな素晴らしい名園があるのが不思議です。
この庭を造らせたのは、誰だったのでしょう。
その方に、庭園作りの審美眼があり、優れた庭師を呼んできたのでしょう。