平成23年12月 茨城県北へ
友人の案内で,二つのお寺を訪ねました。

 小松寺
所在地:茨城県東茨城郡城里町1130
真言宗智山派の寺院。山号は白雲山。院号は普明院。本尊は大日如来。
 平安時代末期、京都にあって盤石に見えた平氏政権は、源頼朝の挙兵によって倒されました。
 平重盛は、平清盛の長男で、跡継ぎとして期待されていた人物ですが、父より先に病死してしまいます。重盛の遺骨は平貞能(たいらのさだよし)により、この小松寺に葬られています。
 1180年(治承4年)平貞能が平重盛の遺骨を白雲山に葬り天台宗の寺院を建立し、自ら出家して以典と号したといいます。1387年(嘉慶元年)大掾頼幹が宥尊を招いて中興し真言宗の寺となりました。
重盛の墓と伝わる「伝内大臣平重盛墳墓」があり県史跡となっています。また、小松寺には国重要文化財の「木造 浮彫如意輪観音像」があります。

 清音寺
 太古山獅子院 清音禅寺といい、大同4年(809年)に弘法大師が草庵を設けたのが始まりとされ、その後、文和元年(1345年)、佐竹氏9代貞義が没し、子の義篤が100日忌のため復庵宗己を招いて開いた臨済宗のお寺です。
 静岡県浜松市にある方広寺の本尊 本尊釋迦如來、脇侍文珠菩薩、普賢菩薩の三尊は、もともと、清音寺で祀られていました。廃仏毀釈の影響でしょうか、方広寺へ移ってしまいました。この三尊像には、水戸の徳川光國が損傷甚しきを慨して修繕した旨が記されています。
 また、清音寺の山門と仏像は、アメリカのフィラデルフィアに渡っています。なかなか不思議な寺です。
 鎌倉時代の1237年、の戦国時代1580年の2回を兵火で、昭和15年に伽藍等と、過去3回燃えてしまったこと、廃仏毀釈の影響で寺の規模は縮小されています。
清音寺 本堂
 この寺の開山である大光禅師復庵宗己の墓、佐竹氏歴代の佐竹秀義、佐竹義政、佐竹貞義、佐竹義篤の墓がずらっと並んでいます。この寺の歴史を感じさせます。