坂東第十番札所 正法寺

寺院名 岩殿山 正法寺
(いわどのさん しょうぼうじ)
通  称 岩殿観音
宗  派 真言宗智山派
開  基 逸海上人 718年
ご本尊 千手観世音菩薩
真  言 おん ばざら たらま きりく
ご詠歌 後の世の 道を比企見の 観世音 この世を共に 助け給へや

 札所データ 
住所 埼玉県東松山市岩殿1229 
電話 0493(34)4156
交通(車) 関越自動車道東松山IC10分
駐車場 あり
拝観料 無料
地図サイト mapion

 歴 史
  • 草創は、養老2(718)年、物見山の岩窟に逸海上人が千手観音を安置したのが始まりという。
  • 坂上田村麻呂が奥州征伐に向う途中、物見山の近くを通りかかったとき、村人達に、山中に住む悪龍退治を頼まれた。田村麻呂が岩殿の観音様に祈願すると、時ならぬ大雪が降り、1カ所だけ雪の消えている場所を発見。(悪龍は雪を溶かす。)観音様に授けられた1本の弓を射て悪龍を退治したという。
  • この霊験が中央にも伝わり、延暦15(796)年に宣旨によって堂宇が整えられた。
  • 本尊の千手観音は、鎌倉初期の作という。
  • 鎌倉時代には、源頼朝の命で、比企能員(ひきよしかず)が復興。能員が北条時政のために自害させられると、嫡子時員(ときかず)は出家してこの寺を守った。
  • 室町時代にも大いに栄えたが、永禄10(1567)年、松山城の合戦の兵火で焼失、天正3(1575)年に僧・栄俊が中興した。
  • 明治12(1879)年にも再び火災に遭い、現在の堂は高麗村から移築されたものである。

 訪 問 記

平成20年8月31日(日) 晴れ

 巌殿山 正法寺 (しょうぼうじ)
階段の左側を登ると、駐車場があります。
仁王門
かつて運慶作と言われていました。

奉納相撲で村人に代わって相手をしたという「仁王の相撲」の話が伝わっています。
運慶の作にしては、塗りがきれいで、とても古い仁王様には見えないですが。
仁王門は、鎌倉時代の再建。
階段を登りきると、観音堂が見えます。
観音堂

明治12(1879)年に火災で焼失した。
現在の観音堂は、高麗村から移築されたもの。
本尊の千手観音は、鎌倉初期の作という。
巡礼の方達がお参りに来ています。
観音堂の右手の岸壁には、人の胸の高さぐらいのところに穴が掘られ、おびただしい数の小さな石仏が並んでいる。
これらは、坂東三十三カ所、西国三十三カ所、秩父三十四カ所の百観音と、四国八十八カ所のうつし本尊であるという。
市指定文化財のイチョウ
太い幹から、さらに幹が分かれ、変わったイチョウの木です。
イチョウの木は、とてつもなく高いです。
鐘楼
梵鐘は、元享2(1322)年鋳造で、埼玉県指定有形文化財。

室町時代の松山合戦のおりに、兵士の士気鼓舞するために陣中を引きずった傷跡が残り、痛々しい。