坂東第三十三番札所 那古寺 

寺院名 補陀洛山那古寺
(ふだらくさんなこじ)
通  称 真言宗豊山派
宗  派 那古観音
開  基 行基菩薩
ご本尊 千手観世音菩薩
真  言  おん ばざら たらま きりく 
ご詠歌   補陀洛は よそにはあらじ 郡古の寺
       岸うつ浪を 見るにつけても

 札所データ 
住所 千葉県館山市那古1125    
電話 0470(27)2444
交通(車) 館山自動車道路
木更津南IC1時間30分
駐車場 あり
地図サイト mapion

 歴 史
  • 那古寺縁起によると、元正天皇の養老元年(717)天皇の御悩平癒のため、僧行基が老翁の告げにより、ここの海中より香木を得て千手像を刻み、祈念したところ、直ちに効験あり、勅願によって山上に伽藍が建てられたといいます。
  • のちに慈覚大師が止住せられ、さらに正治年間(一一九九〜一二〇一)秀円上人に至って真言密教の霊場となったのである。
  •  源頼朝がこのご本尊に帰依して七堂伽藍を建立、また足利尊氏・里見義実もあつい信仰を捧げました。
  • 第二十一代の別当は里見義秀であり、二十三代は里見の熊石丸であるなど里見氏との深い関係で寺勢は大いに伸張しました。
  • 徳川家康の頃には鶴谷八幡宮の別当を兼ね、末寺十五ヶ寺、駕籠側八人衆、三百石を領する大寺となりました。


 訪 問 記
平成20年11月4日(火) 晴れ

今年の8月から始めた板東三十三箇所巡りが、とうとう結願を迎えることとなりました。
館山の那古寺へやって来ました。

 那古寺
江戸時代までは観音堂のすぐ足もとまで浦の波が打ち寄せていたといいます。
ご詠歌に「岸うつ波を見るにつけても」とあるのが往時を想いおこさせます。
 坂東三十三札所の「総納札所」である郡古寺は、房総半島南端の館山市市街から少しはずれた郡古山の中腹にあります。
奥の大きな伽藍が、納経所がある庫裡です。
郡古山はスダシイ、タブノキ、ヤプニッケイ、ヤブツバキ、ヒメユズリ混生の自然林におおわれています。
俗に裏坂と呼ばれるゆるい勾配の参道を進み、まず仁王門があります。
筋肉のボリュームの誇張はあまりない金剛力士像です。
仁王門をくぐると、鐘楼、阿弥陀堂、多宝塔、本堂の伽藍が見えてきます。
阿弥陀堂
藤原期の作と伝える木造阿弥陀如来の座像を祀っています。
多宝塔
宝暦11年(1761)住僧憲長が伊勢屋甚右衛門らと力を合わせ、勧進して建てたものです。
地元那古寺及び周辺の大工が施工したとのことです。
観音堂
享保年間の1730年代にはほぼ完成していたことが判りました。
平成の大修理が6年かけて行われ、平成20年10月26日落慶法要が行われました。
ちょうど、私は落慶法要が終わって10日もしないうちに、訪れたことになります。
観音堂前から、鏡ケ浦が見えます。
那古寺の裏山へ登っていきます。
登山道は、手すりもあり、よく整備されています。
10分ぐらいで登れました。

上り詰めると、広場があり、四阿もあります。
鏡ケ浦を一望できます。
ほんとうに海が鏡のように波がたってないように見えます。

今年の8月31日(日)、杉本寺から打ち始めました。
車で高速を利用しながら廻ると、結構、楽に廻れました。
巡礼にでた日にちは、のべ9日間でした。