平成20年1月 島根県

 慈恩寺

所在:島根県江津市都治町1174

慈恩寺は、足利直冬が余生を送った寺です。
 足利直冬は、足利尊氏の庶子で、身分の低い女のもとに生まれたためか、何かと父尊氏から疎遠に扱われます。そんな直冬を見かねて養子としたのが、尊氏の弟直義です。直の一字は直義からもらっています。
足利尊氏と高師直兄弟と直義との間の確執が表面化、これに南朝と北朝との争いが加わり、相争う騒乱の時代に突入します。 直冬は、叔父であり義父である、直義方となります。石見の豪族を味方につけて、総大将として祭上げられ、各地で幕府方と戦っていきます。
石見、安芸の豪族で直冬方についた武将は、三隅兼連を筆頭に、高橋師光(のちに毛利元就に一族族滅される一族)、山内首藤氏、毛利親衛(毛利元就の先祖)、益田兼見、福屋氏、佐波氏などです。
しかし、南朝方はじりじりと衰退し、直冬はついに幕府に降参します。 幕府は、直冬を許し、都治にわずかばかりの領地を与え、南陽山慈恩寺に入り、隠居することとなりました。直冬は、この地で静かな余生を送り、1387年波乱の生涯を閉じたと伝えられています。
訪れた日は、小雨交じりの寒い日でした。なんだか、足利直冬の生涯を象徴しているような感じです。
慈恩寺の門下には、もう、水仙の花が咲いていました。寒くとも咲くのですね。
 日本海
温泉津町湯里の湯里川河口の海です。
冬に日本海は、荒々しいです。
 温泉津温泉
戻る途中、温泉津温泉の入り口に差し掛かりました。残念ながら、先の見学地が残っているので、温泉には立ち寄りませんでした。
こんな寒いときに、温泉に入れば、気持ちいいでしょう。
温泉津温泉は、世界遺産に登録された、石見銀山遺跡に比較的近いです。

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