平成25年 4月27日 朝のうち雨 のち 晴れ

平成25年前半のゴールデンウィーク、三日間の旅を計画し、まず福井県へ来ました。
前日の夜から高速を走り続け、朝、今庄ICで北陸道を降りました。

まず最初の観光地は、木ノ芽峠です。
今庄365スキー場へ向かって道を入ります。 
 今庄365スキー場、完全にオフシーズンで雪のかけらもありませんし、当然、人もいません。
舗装された林道をどんどん登っていくと、駐車場があります。ここに車を停め、歩いて木ノ芽峠へ向かいます。
整備された山道を登ります。
 言奈地蔵(いうなじぞう)

 登ったところに、言奈地蔵があります。ご本尊は石仏で弘法大師の作といわれています。この言奈地蔵には、ある言い伝えがあります。
 昔々、権六という馬子が大金を持った旅人を、お金ほしさにここで殺しました。
 そばにお地蔵様が見ていたので「地蔵いうなよ」と言いました。
 するとお地蔵様は、「地蔵は言わぬが我言うなよ」と言われました。権六は驚き、改心しました。
 後年、権六は、この峠で若い旅人に出会い、昔の自分の罪を語ったところ、その若者がかつて殺した旅人の息子であると知り、罪業の深さを悟り、自ら進んで仇を討たれたと言います。
木ノ芽峠へ向かい、歩いていきます。
この道を、道元禅師、蓮如上人も歩かれたのでしょう。
何の花でしょう?
道端に小さなきれいなピンクの花が咲いていました。
木ノ芽峠が見えてきます。木ノ芽峠周辺は、スキー場・山などが私有地で、そこへの立ち入りはしないよう注意喚起の立て看板があります。

峠の方で、数匹の犬が吠えています。
先へ進むのがいやになってきましたが、我慢して道を登っていきます。
犬は、峠の茶屋に住まわれている方が飼っている犬でした。
犬が吠えているので、家の方が出てこられました。私が、木ノ芽峠を見学に来たのですがと話すと快く案内してくださりました。

 木ノ芽峠
木ノ芽峠は、福井県南条郡南越前町二ッ屋にあります。
木ノ芽峠は、福井県を嶺北・嶺南に分ける地で、平安初期の天長7年(830)木ノ芽越えの北陸道が開削されました。

峠への登坂には、今もすりへった石畳の道が残り、往時の様子が偲ばせています。周辺には戦国時代の城跡がも残っています。
道元禅師碑
曹洞宗の開祖、道元さんは、この木ノ芽峠を通り、越前へ入りました。
また、病を得て、療養のため京都へ帰るため、ここを通りました。
また、浄土真宗の蓮如上人もここを通っています。
峠の家の方、親切に私にお茶を入れてくださり、お話していただきました。
峠の茶屋は、言奈地蔵を代々守ってきたとのこと。(地蔵守り。)そのため、この地を離れられないとのことでした。
木ノ芽峠周辺の山は私有地ですが、最近は、城好きの方が勝手に山に入ったり、山菜を勝手に取りに山へ入る人が後を立たず、山を荒らして困ると嘆いておられました。
木ノ芽峠は、今でも冬は、雪が2mぐらい積もり、1月から3月は雪に閉ざされるとのこと。本格的な冬がくる前は、冬の準備のため、とても忙しいということです。10月10日以降は、この地は春まで、晴れる日があまり無く、11月からぽつぽつ雪が降り始めるということです。
こういう環境に住み続けることはきびしいことです。
いろいろお話を聞けてありがたかったです。

 燧ヶ城(ひうちがじょう)跡

燧ヶ城は、平安時代の木曽義仲、室町時代の新田義貞、織田信長と一向一揆に関係しています。
今庄駅の駐車場に車を停めさせてもらいました。無料のようです。
燧ヶ城は江越国境の栃ノ木峠から板取を経て今庄に至る北国街道(現国道365号線)と敦賀から今庄に至る北陸道が交わる交通の要衝にあり、さらに東には日野川が流れる隘路にあって源平の時代より戦略的に重視されてきました。
燧ヶ城への登城道は、今も北国街道の宿場町としての雰囲気を残す町並みの中、新羅神社・観音堂の脇から延びています。
カタクリの花でしょうか。
可憐な花です。
二の丸の虎口は石積みがみられ、南側(左手)直下には横堀を配して、虎口部の防御性を高めています。
 本丸には石積みの櫓台があり、本の丸から三の丸の間には堅堀,土橋が良く残っている。また、本丸からは眺望が開け、宿場町が一望できます。
 ゆっくりと登ってきて、20分ぐらいで登れました。
きれいな山つつじが咲いていました。

 曹洞宗の大本山、永平寺へ来ました。

 永平寺
 私の家の宗派は、曹洞宗なので、いつか永平寺へ来たいと思っていました。やっと念願が叶いました。
永平寺は、今から670前の寛元二年(1244)、鎌倉時代、道元禅師によって開かれた座禅修行の道場、曹洞宗の大本山です。

境内は、三法を山に囲まれた深山幽谷に、大小70余りの建物が並んでいます。
 道元禅師は、1240年京都に生まれ、14歳の時に比叡山で出家し、24歳の春、中国に渡り、天童山の如浄禅師について厳しい修行をし、仏教の正しい教えを受け継がれて日本に帰ってきました。
 越前の地の地頭、波多野義重に要請により、この地に移り、永平寺を開かれました。
永平寺の拝観受付
傘松閣
 平成7年6月の再建ですが、天井には、昭和を代表する日本画家の絵が展示されています。その数、おびただしいです。
すべての建物は回廊でつながっています。
仏殿
伽藍の中心で、ご本尊、釈迦むに仏が祀られています。
 仏殿には、お釈迦様、阿弥陀如来さま、弥勒菩薩様の三世仏が祀られています。
大庫院
お寺の食事を作る台所です。
僧堂
 左側が、お坊さんの修行の場で、現在も厳しい修行をされているそうです。
永平寺は、長い階段の回廊が続いています。
階段が登れないと拝観できないでしょう。
山門
永平寺最古建物で、福井県文化財に指定されています。
 永平寺は、曹洞宗の大本山であり、ゴールデンウィークということもあり、たくさんの観光客が訪れていました。永平寺には、国宝・国指定重要文化財の伽藍等はありません。観光というよりも、禅宗の修行の場を見学するという趣でした。
 2日目・福井県・石川県能登へ