平成19年11月

 深田氏庭園

深田氏庭園は鎌倉時代末期につくられた庭園です。
個人のお宅の庭園なので、見学は事前に申し込みが必要です。
事前に電話して、午前9時に伺いました。
深田さんは、お年は80歳すぎぐらいの方です。お元気です。
庭にご案内いただき、お話を聞くと、深田氏というのは、京極佐々木氏の庶流だそうで、鎌倉時代、この米子に土着したそうです。

戦国時代は、尼子氏に仕えたり、尼子が滅びた後は毛利氏に使えたそうです。
深田氏は、鎌倉時代から現代まで700年以上も、延々と家系が続いているのがすごいです。
1300年ごろに、深田氏のご先祖様が、京に登り20年ぐらい京に居たそうで、故郷に帰っってから、庭園を造られたそうです。
京の有名な庭園をみて、触発され庭園を造ったのでしょうか。
庭園は、池泉鑑賞蓬莱式庭園で、山陰最古の庭です。
一説には、元弘の乱後1332(元弘2)年、後醍醐天皇が隠岐の島に配流の際、米子に立ち寄り、深田氏庭園を鑑賞したといういわれがあります。

庭は広くはありませんが、庭石は一見して判る、年を経た古さがあります。
庭石というのは、樹木と違って、寿命が無いです。
池の中には力強さをたたえた亀島と、女性愛を思わす鶴島が配されています。
三尊石
一番右側の石が、他の石と石質が違っているようです。
鎌倉時代の庭園は全国で13カ所しか残っていないそうですが、そのうち、鶴亀島の原型をとどめているのは、この庭園と、京都の西芳寺2つだけだそうです。

この庭園の庭石は、大地震があっても、ほとんど位置が変わらなかったそうです。
庭木も、またよく手入れされています。
深田さんのお話を聞き、お茶とお菓子をいただき、1時間ほど庭園に居ました。
これだけの庭が、個人所有というのもすごいですね。

維持費がたいへんなので、米子市教育委員会に相談して、国に申請して国指定保護文化財に指定していただいたそうです。

現在、国から補助金がでるそうですが、それにしても、維持費の半分ぐらだそうで。
形ある歴史を維持するのは、たいへんです。
深田氏庭園→月山冨田城跡洞光寺清水寺