平成19年11月 和歌山県

 長保寺

所在地:和歌山県海南市下津町上689

長保寺は、和歌山県海南市下津町にある天台宗の寺院です。
山号を慶徳山。本尊は釈迦如来。開山は性空。

紀州徳川家歴代藩主の眠る寺でもありす。

国宝の大門、本堂、多宝塔のほか、鎮守堂(重要文化財)、紀州徳川家廟所(史跡)と歴史的価値が高い寺です。

寺伝によれば、平安時代中期の長保2年(1000年)、一条天皇の勅願により、円仁(慈覚大師)の弟子の性空によって創建され、年号を取って「長保寺」と号したといいます。

創建時は現在地より西方にあったが、鎌倉時代末期に現在地に移り、伽藍も整えられました。
現存する本堂、多宝塔、大門(各国宝)は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての建築です。

中世の仏教建築がまとまって残されている点で、非常に貴重です。
大門(国宝)

南北朝時代の嘉慶2年(1388年)の建築。三間一戸楼門、入母屋造。
大門(国宝)
大門をくぐり、石段を登っていきます。
途中で、拝観料を払う受付があります。
多宝塔(国宝)

南北朝時代の正平12年(1357年)の建築。本瓦葺 。
多宝塔(国宝)
本堂(国宝)

鎌倉時代末期の延慶4年(1311年)の建築。
本堂(国宝)
寛文6年(1666年)、当地を訪れた紀州藩初代藩主徳川頼宣は、長保寺を紀州徳川家の菩提寺に定めました。

境内東斜面には広大な藩主廟所があり、頼宣以降の歴代藩主が眠っています。

ただし、5代吉宗(後の8代将軍)と13代慶福(後の14代将軍家茂)の墓は東京にあります。
重森千(チサヲ)さん作庭の庭がありました。

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