平成19年11月 足立美術館

 足立美術館

な、なんだこれは。 どひゃーという感じでした。 驚愕です。

島根県をこれまで観光していて、人がたくさん集まっていたところは、出雲大社と、この足立美術館だけでした。

島根県安来市の田舎にあるのに、駐車場は広く、観光バスが何台も停まっています。
月山富田城跡の手前に位置しています。富田城跡に比較的近いです。
足立美術館は、地元出身の実業家・足立全康(あだちぜんこう・1899〜1990)氏が昭和45年、71歳のときに開館したものです。

入館料は、大人2,200円です。安くはないです。
美術館の中に入ると、窓から庭が見えます。
美術館の中に入ると、窓から庭が見えます。

まずは、庭園に驚かされます。
「苔庭」、「枯山水庭」、「白砂青松庭」と続きます。
「苔庭」
「苔庭」
足立全康氏のブロンズ像です。

足立全康は、安来市の出身で、裸一貫から事業を起こし、財を築き、一代で大コレクションをつくりあげました。偉人ですね。
 枯山水庭



遠くの山々を借景として使い、庭園の広がりを演出しています。
庭は、見事に手入れがされています。

木の葉、塵ひとつ落ちおらず、樹木は整然と手入れされ、庭石と白砂の配置が絶妙です。
遠くの山から滝が流れ落ちています。(この滝は人工的に造ったものです。)

ものすごく庭園が広いように見えます。
 池庭
池庭もきれいですね。
鯉が悠々と泳いでいます。
夢の世界のようです。
 白砂青松庭
川が流れています。
その周りが、砂地なので、なんだ海のように思えます。
枯山水庭、白砂青松庭とも、遠くの山を借景としており、庭の面積がすごく広いように見えます。
遠くの山の崖から、滝が落ちています。
白砂が、海の砂のように見えて、どこか海岸のようにも見えます。

こういう庭園を見るのは、初めてですね。
実際、専属の庭師や美術館スタッフが、毎日手入れや清掃を行っているそうです。

「庭園もまた一幅の絵画である」という足立全康の言葉どおり、絵画のように美しい庭園です。
庭園を見て、安いとはいえない入館料にも満足しました。

米国の日本庭園専門雑誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」 の日本庭園ランキングでは、全国731箇所の名所・旧跡を対象に「庭そのものの質の高さ」「建物との調和」「利用者への対応」などを総合的に判断し、2003年ランキングから2007年まで、5年連続で庭園日本一に選出されています。

2位は京都の桂離宮です。

庭に、しばらく見とれていましたが、その後、ここは美術館でありますので、美術品を見学します。

足立美術館は、横山大観の作品を総数130点を所有しており、足立コレクションの柱となっています。
大観のほかにも、竹内栖鳳、橋本関雪、川合玉堂、上村松園ら近代日本画壇の巨匠たちの作品があります。
また、陶芸では、北大路魯山人、河井寛次郎の作品群を所有しています。

一つの展示室が、横山大観の作品ばかり展示されていました。
ちょうど展示されていた、横山大観の『紅葉』が綺麗で、見事でした。
70年以上前の作品ですが、紅葉の赤と川の水の青さのコントラストが綺麗です。

北大路魯山人の作品って初めて見たのですが、デザインが絵画のように綺麗な焼物(陶磁器)ですね。


足立美術館を見学することは、今回の島根旅行の目的の一つでした。
この美術館には、いつの日か、また訪れたいものです。
今度は、春がいいですね。

松江城小泉八雲旧宅神魂神社八重垣神社→足立美術館→巌倉寺宍道湖の夕日